感想
戦国ファンタジーとして、観るならば、歴史の制約された枠組みの中で、存分にエンターテイナーのシナリオ、演出、演技を披露していると思う。
型にはまった人物像は、今まで散々、小説やドラマ、映画で描き尽くされてきた。
21世紀前半の年代において、いかに希望溢れる躍動感をドラマに吹き込めるか?という観点で言えば、厳密な歴史像で描かれなくても、良いと思う。
むしろ、時代劇という世界設定が数少なくなった中で、どこまで現代人が戦国時代という無法荒くれの世界で生きる本質に向き合った生き様を演じきれるかが、見どころだろう。
戦国時代のお馴染みの登場人物たちが作られる時代背景を替え、役者を替えて、それぞれ独自の試行錯誤の上に描き出す世界に妙味を見出せるのか。それを楽しむことに集中した方が、昨今の大河ドラマは楽しめると思う。
戦乱の世の中でいかに生き抜くべきか、覚悟を決めた行動を取る戦乱の時代背景は、演じる人たちにとても、また違った演じる心構えを取ることだろう。役者冥利に尽きると思う。